WITH


……ゴシゴシと、手の甲で何度も唇を拭いながら。


今まで、何人もの男達と体を重ねたくせに、今は嫌悪の対象にしか思えない。


もう、廉じゃないと触られたくもない―――


しきりに唇を擦り続けてヒリヒリと痛んでも、一向に消えない晴哉の感触に涙を流して。


今までの自分の愚かさを、呪いたくて堪らない瞬間だった―――










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