WITH
毎年このパターンでやり過ごしてきたクリスマスという行事を、今までとは別物に変えてしまったのは、一本の電話だった。
「姉貴さ?25日の夜……ていうか、明日なんだけど。空けといてくんない?」
クリスマスイブなんか関係無しに働いている夜勤中の私に、突然電話をかけてきてそう言い放ったのは、律だった。
「明日?夜勤明けだから、起きれるかわからないんだけど……」
たまたま、夕食を採るための休憩時間だったから電話に出れたものの、突然の申し出についつい眉間に皺を寄せてしまう。
「んじゃ、俺が電話して起こしてやるからさ?……明日、廉先輩と会う時間作れたんだ。詳しいことは、あとでメールしとくから。
じゃあ、そういうことで!」
一方的に話し終えるとプツリと切られた電話からは、もう規則的な機械音しか聞こえては来なくて。