WITH
* * * * *
家に帰り着いて、軽く昼食を採ったあと。
シャワーを浴びた私は、そのままベッドに崩れ落ちるようにして眠りに就いていた。
深くもなく、浅くもなく……
そんな眠りに浸る私を呼び覚ましたのは、携帯の着信音だった。
開ききらない目を擦りながら手にした携帯を、誰からの着信か確認することもなく取った私の耳に聞こえてきたのは、
『紗和ちゃんっ♪』
ていう、雰囲気をまったく読めていない明るすぎる晴哉の声だった。
「……晴哉、何か用?」
ベッドから起き上がることもせず、閉じてしまう瞼を開くこともせず……
(私、冷たい女だなー…)
と頭の片隅に浮かんだ考えに、
(だって、晴哉だし?)
なんて、頭の中で勝手に紡がれる言葉が、夢なのか現実なのかわからないくらい眠くて。