WITH
考えても答えに行き着かないでいる私に、再度、晴哉の声が聞こえてきた。
『相変わらず、冷たいね?
クリスマスだし、オレと会おうよ!』
「……無理。予定、入ってるし」
寝起きの私は抑揚の無い声で答えると、数秒の間があって。
晴哉は急に静かな声で
『ふーん……
もしかして、“廉”って人に会うとか?』
呟いた。
晴哉の口から“廉”の名前が出てきて、覚めきらなかった眠気が吹っ飛ぶ程、驚いた。
「晴哉には関係ない……」
『そうだけど……っ!!』
突き放すような物言いになってしまったのは、何も知らない晴哉に廉のことを話そうとも思えなかった。
それに……
今日、廉と会うことを誰にも言いたくなかったから。