WITH
そんな私に、一瞬声を張り上げて何か言いたそうにしていたことに気付いたけれど、私は気付かないフリをした。
そのまま沈黙が続いて……
数十秒後、いつもとは違う真剣な口調で話し始めたのは、晴哉だった。
『たしかに、オレには関係ないかもしれないけど。
オレは……紗和ちゃんが好きだから。それだけは、ちゃんとわかって?』
「晴哉なら、私じゃなくてもたくさんいるでしょう?」
電話越しでも、晴哉は真剣な気持ちで言ってくれているのがわかる。
それくらい、聞いたこともないくらい真剣に落ち着いた声で話すから、私はベッドの上に起き上がってそう問い返した。
晴哉は、カッコイイ部類に入るくらい整った顔立ちだし、だからこそ女慣れもしているんだと思ったから。