WITH



『紗和ちゃんの言う通り……
今までは、いろんな女と遊んでたよ。楽しければ、それでよかったしね?でも、紗和ちゃんに惚れてからは、女全部切ったし遊んでない』



だから、いい加減オレの気持ちを信じて―――


そう言ってくれる晴哉。



「ありがとう……
でも、私は晴哉を見ることは出来ないの。大好きな人がいるから、だから―――」


『“ゴメン”とか“断る”なら、聞かないよ?電話で振られんのなんか、イヤだし……』



私の言葉を遮って、電話の向こうからけらけらと笑う声が聞こえる。


その声を聞いて、
“今日、廉は笑ってくれるかな……”その考えが浮かんでしまう。


やっぱり、私の心は廉にしか向いていないらしい。



『その“廉”って人より、オレの方がイイ男だって紗和ちゃんに思わせてみせるから♪』



そんな自信過剰とも言える発言をして、



『まあ、今日はしょうがないや。でも、今度こそはオレと会ってね?』



いつも通りの何やら楽しげな声を残して、電話は切れた。



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