WITH
『いーや、別に謝られるほどのことじゃないし。でさ?8時くらいに、シティホテルに来れる?』
「シティホテル……?」
復唱しながら、頭の中に地図を描き、場所を思い浮かべる。
確か、繁華街に立地する一流ホテル……だったハズ。
『うん。そこの1842号室行って?廉先輩、待ってると思うから』
「ん、わかった……ありがとね?」
電話を切り大きく息を吐いて、心の中で気合いを入れる。
気負わず自然体で……
そう思っても、緊張はやっぱりするもので。
出掛ける準備を始めるためにベッドから降りて、私は本日2度目のバスルームへ向かった。