WITH
初めて見る光景にポーッと見惚れていると、不意に絡まった視線。
恥ずかしくなって視線を逸らすと、けらけらと笑われた。
―――昔のままの、太陽みたいに眩しい笑顔で。
廉が私に向かって笑ってくれた、ただそれだけのことなのに嬉しくて、頬が緩むのが自分でもわかった。
「ごめんな?ギリギリまで、どこで会うか場所が決まんなくてさ……」
「大丈夫だよ?」
緩む頬そのままに、にっこり微笑んで答えたら、ホッとしたような顔をする廉にまた笑ってしまう。
「でも、なんでホテルにしたの?」
「んー…、蜜華にバレないように」
ソファーに座りながら平然と告げられた一言に、胸が痛むと同時に顔から笑みが消えていくのを感じていた。