WITH
甘い温もり
「ちょっ、ちょっと待って!!
廉っ!?」
ベッドに落とされ、ギシッとベッドを軋ませながら私の上に跨がり見下ろしてくる廉に、私は制止の声をかけるけれど。
それを無視して、廉はスーツの上着を脱ぎ捨てネクタイも解いていく。
その行動が意味することを理解しているからこそ制止の声をかけ続けるのに、無表情を貫き通している廉。
顔の両サイドに、逃げ場を失くすかのように廉の手が突かれて、私と廉の距離は更に近くなる。
制止の言葉さえも出せなくなるくらい、うるさく鳴り始める心臓の音だけしか聞こえない。
パサリと流れ落ちた、廉の茶色い髪の毛が頬を掠める。
くすぐったくて目を閉じた瞬間、唇に触れた冷たくて柔らかい感触。
驚いて目を見開けば、廉のキレイな顔が目に入って……
“廉にキスされている”ことに気付いた。