WITH
触れるだけのキスを、
唇……額……目……頬……
あらゆる場所へと降らせていく廉に、次第に体から力が抜けてしまう。
目を閉じて、廉が触れる場所から甘く溶かされていく―――
フッ……と唇が離れたのを感じて目を開くと、腕を引かれて起き上がらせられて……廉に抱きすくめられた。
「俺……紗和が好きだよ?」
耳元で呟かれた言葉にビクッと体が震えて、更に強く抱き締められる。
「だから、さ?
―――俺に、他の男の痕、消させてよ?」
体を僅かに離されて、至近距離で見つめられる。
廉の切なげな眼差し、廉の声、廉の香り、廉の温もり―――
廉のすべてが私だけに向けられて、それ以上拒める訳がない。
だってそれは、私がずっと求めていたもの……
泣きたいほどに廉が恋しくて、
悔しいほどに廉の温もりだけを欲し続けてきたんだから。