WITH
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何度も何度も、天井にかざすようにして眺めてしまう、廉の名刺と携帯のメモリー。
手元に残る廉の連絡先を知ってからもうすぐ3日が経過しようというのに、連絡する勇気は出せずにいた。
電気も点けず、夜闇を照らす月明かりと外灯だけが光を与えている漆黒が広がる寝室。
ベランダに続く窓際のフローリングに座り込んで、どれだけの時間がたったのか―――
昨日も一昨日も、夜になるとそうしていたような気がする。
一人の時間を寂しいとは感じてはいるものの、自分から連絡していいものなのか……
私は、未だにわからないでいた。