WITH
なんの変哲もない名刺を見つめながら、何度も溜め息を吐く。
いくら寂しくても、世間から見たら非難を受けるような関係の私が簡単に連絡をしていいものなのか……
廉の言葉を素直に受け入れて連絡したい気持ちはあるのに、蜜華さんの存在を気にする自分がいる。
考えても答えは見つからず、ただただ名刺と携帯を握り締めて、私は夜闇に溶け込んでいくばかりだった。
「廉、寂しい……よ?」
不意にこぼれた言葉に、誰が返事をするわけでもなく……
律もまだ帰宅していないため、シン――とした空間にすぐに消えてなくなる。
虚しさと更に増したように感じる寂しさに、もう一度息を吐いた時、
―――携帯が震えた。