WITH
怒気を含んだ物言いに視線を向けると、頭をガシガシと掻いている呆れ顔の律。
でも、律の様子よりも気になってしまったのは、“いちゃつくな……”の言葉。
もしかして、律は私と廉の関係を知っているの―――?
そんな考えを持った私は、それを問い掛けるかのように廉を見上げて首を傾げた。
その動作の意味が伝わったのか……
廉はにっと笑って一度頷いて見せると私の頭をポンポンと撫でて、するりと腕をほどくとリビングのソファーに座り込んだ。
「なぁ……今日、メシある?」
俺も先輩も今まで残業で、軽くしか食ってないんだよね―――そう付け足しながら、キッチンへ向かう律。
「えー…っと……」
何かあったかな……と悩んでいる間に、
「コレ、食っていい?」
鍋のふたを持ち、中身を指差して笑っている律がいた。