WITH
「あ……。
でもさっき、少ーしだけ意地悪言ってやったわ、廉先輩に……」
呟くように言われた一言に、首を傾げてしまう。
意地悪って……、何か言ってたっけ?
「ほら、メシ食ってる時
『あとは嫁に行くだけ……』ってヤツ。少しくらい、廉先輩にも先のこと意識しといてもらわないとな?」
さっきと同じように悪戯っ子みたいに笑う律に、顔がひきつるのを感じてしまう。
「あれは、そういうことだったんだ……」
「まぁ…ね?
俺はどんな時でも、姉貴の味方でいてやるから……だから、あんまり気にすんな?」
ポンポンと私の頭を撫でて立ち上がった律が、空き缶を持ってキッチンへ向かうのを見送りながら「ありがとう……」を告げた。
蜜華さんのことを、気にしないのは無理だけど。
今だけ、
今だけは……
廉の傍にいさせてください―――