WITH
密恋の行方
年を越して、冬の寒さが少しずつ和らいできて……2ヶ月もの時が過ぎた。
その間、私と廉の関係は変わることなく続いていた。
仕事の忙しい廉とは週に一度会えればいい方で、私の寂しさを埋めるためにと忙しい合間を縫って、電話だけは毎日くれる日々だった。
それと同じく―――
晴哉からの電話も、飽きることなく毎日寄越されていた。
無視しようものなら、毎日の着信に加え留守電とメール攻め。
すぐに根を上げて電話には出るようにしたら、
『会ってくれないなら、せめて声くらい聞かせてよ?オレ、紗和ちゃんが好きなんだって……』
切なげな声でそう言われてしまえば、もう何も言えなくなっていた。
誰かを思う気持ちは、誰にも止められない―――
私が廉を思う気持ちを消せなかったのと同じように、晴哉が私を思っているのなら……止められないと思った。
それを、私が信じられるかどうかは別として。