WITH
「出版社の仕事も忙しそうだよね……ていうか、二人とも忙しいのに、よく付き合えてたよね?」
「まぁ、確かにね……電話とメールがほとんどだよ。……って、俺達のことはいいんだよ!」
会えなくても繋がっていられるなんて、羨ましいなぁ……なんて思いながら、啓祐の焦る表情をクスクス笑って見ていたら。
「紗ー和ちゃんっ♪」
楽しげな声と共に背後から抱き付かれて、私じゃなく啓祐が驚くのが見えた。
うしろを振り向くまでもなく肩越しに覗き込んできた顔は、やっぱりというか……声でわかっていたけれど、晴哉だった。
「偶然だね♪何してんの?」