WITH
「……ん?」
首を傾げて話し出すのを待っていると、
数秒後、顔を上げた啓祐は、
躊躇いがちに私を見ながら口を開いた。
「同窓会の日、……迎えに来ようか?」
「へ……?」
「廉のこともあるし、一人じゃ行きづらくないかと思ったんだけど……」
話しながら俯きがちに下を見つめてしまった啓祐は、頭をガシガシと掻き毟っている。
「一緒に、行ってくれるの……?」
そんな啓祐に、私も遠慮がちに問い返してしまう。
同窓会の日が近付くにつれて、
臆病な私が顔を出し、行くのを止めてしまいたいと思うことが多々あったから……
親友の啓祐が傍にいてくれるなら、心強いよ?
「紗和がイヤじゃなければ、
一緒に行くよ」
そう言ってくれた、啓祐のおかげで。
いつまでも拭えない不安と廉への思いが、5日後にはきっと晴れると信じられた――…