WITH
呆れて溜め息しか出ない私に、不可解だと言わんばかりの表情を返す晴哉。
「だって、アイツがっ……」
「私の親友だから、知ってるだけよ」
挑発するような態度をとった啓祐に非がないわけではないけれど、これ以上晴哉に詮索されたくはなくて、冷たく言い捨てた。
いったい……どうすれば、ここまで私を思えるのだろう?
たった一度寝ただけの女を、そこまで真剣に思えるもの……?
「晴哉……前にも言ったけど、私じゃなくてもいいんでしょう?
たった一度寝た女に、何をこだわってるの?」
「そんな風に……自分を蔑んだ言い方するなよっ!!」
真っ直ぐに晴哉を見上げて、思ったままを話しただけなのに。
荒い口調で返ってきた言葉は悲しみを帯びていて……そのまま抱き寄せられてしまっていた。