WITH
*** *
「お前、俺のこと好きじゃないだろ?」
もう、何度目になるだろう?
この言葉を言われるのは、初めてではない。
遠くで子供の騒ぐ声が聞こえる、夕暮れ時の公園。
茜色と濃紺色が混ざり合いそうな、グラデーションがキレイな空の下。
私は、付き合って2ヶ月になる彼に、別れ話を切り出されていた。
「わた、し……好きだよ?」
「紗和は、俺を好きなんじゃなくて……
好きだと思い込もうとしてただけ、だろ?」
ベンチに座る私と、
視線を合わせることなく突っ立っている彼。