WITH
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それから、数日後のこと。
廉に愛された余韻さながらに、幸せ気分満開で仕事に取り組む私の許へ来客があった。
職場への個人的な来客が誰かなんて想像もつかない私は、首を傾げながら施設の玄関を抜け、外へと出た。
冷たい風が、まだまだ吹き荒ぶ2月。
私の視界に入ったのは……
華奢な体にフワフワと揺れる巻き髪、ベージュ色のトレンチコートを着た色白の可愛らしい女性。
背中に冷たいものが流れるのを感じて凍りついた私の表情とは真逆に、にっこりと愛らしい笑顔を浮かべて、
「お久し振りです、紗和さん♪」
そう言ったのは、7年振りに見る蜜華さんだった―――