WITH


蜜華さんの口から紡がれていくのは、私の知らない廉と蜜華さんの結婚生活の一部。


聞くに堪えられないのが本音だけれど、蜜華さんの前でだけは気丈に振る舞わなきゃいけないと思っていた。


ギュッと両手をにぎって僅かに視線を逸らしても、視界の端に入る蜜華さんはクスクスと笑っていて、居心地が悪い。



「……そう。それで、私に結び付くのはいつ?そろそろ仕事に戻らないといけないんだけど……」



急かすように聞いてしまったのは、本当に仕事に戻らないとマズイのと、それ以上二人の結婚生活の話なんて聞きたくなかったから。



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