WITH
その答えを払拭したくて目をギュッと瞑った瞬間、さっきまで鳴り響いていた着信音とは違う音色が携帯から聞こえて、私は携帯の画面を覗き込んだ。
(着信:晴哉)
ピッと通話ボタンを押すと、相変わらずの明るい晴哉の声が聞こえてきた。
「あ、紗和ちゃん?久しぶりー♪」
「あー…、うん……」
受話口の向こうから聞こえる笑い声が、更に私を苦しませているなんて晴哉が知るわけないんだからしょうがないんだけど。
ついつい、暗い声のまま受け答えした私に、
「紗和ちゃん……何かあった?」
目敏く気付いた晴哉が、心配そうな声で聞くから……言葉に詰まってしまった。
「……………」
「おーいっ!!……紗和ちゃん?」
「……何でもない」