WITH


誰かに聞いてもらいたかった……ただ、それだけなのかもしれない。


今、一緒にいるのが晴哉じゃなくても、誰にでも話していたかどうかまではわからないけれど、一度口を開いてしまえば“聞いてくれるのなら話してみればいい”と思ってしまう私がいた。



「つーか、それ!
……修羅場じゃねーの?」

「そうかも……?妊娠してるから、別れてほしいって言われたし」



神妙な面持ちの晴哉とは打って変わって、へらへらと笑って軽い口調のままの私。



「紗和ちゃん……?無理して笑わなくても、いーんじゃね?……なんなら、オレの肩貸すし♪」



晴哉が優しい口調で言うから……だから、ポスッと晴哉の肩にもたれ掛かった。


< 220 / 350 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop