WITH
誰かに聞いてもらいたかった……ただ、それだけなのかもしれない。
今、一緒にいるのが晴哉じゃなくても、誰にでも話していたかどうかまではわからないけれど、一度口を開いてしまえば“聞いてくれるのなら話してみればいい”と思ってしまう私がいた。
「つーか、それ!
……修羅場じゃねーの?」
「そうかも……?妊娠してるから、別れてほしいって言われたし」
神妙な面持ちの晴哉とは打って変わって、へらへらと笑って軽い口調のままの私。
「紗和ちゃん……?無理して笑わなくても、いーんじゃね?……なんなら、オレの肩貸すし♪」
晴哉が優しい口調で言うから……だから、ポスッと晴哉の肩にもたれ掛かった。