WITH



「紗和……?」


「……う、うん」



途端に優しい廉の声が響いて、戸惑ってしまう。


怒られるのかも……なんていう考えもあったから、初めに優しい声が聞こえるとは思っていなかった。



「はぁー…、やっと繋がった!!スッゲー、心配したんだけど?」


「ご……ごめんなさい……」



大きな溜め息と共に吐き出された言葉によって、安堵の溜め息だったことを知り謝ることしか出来ない。


それでも、こんな深夜に電話していることの方が私には大きな疑問で……


まだ溜め息を繰り返す廉に、口を突いて聞いてしまっていた。


「今、電話して大丈夫……なの?」



< 228 / 350 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop