WITH
「紗和……?」
「……う、うん」
途端に優しい廉の声が響いて、戸惑ってしまう。
怒られるのかも……なんていう考えもあったから、初めに優しい声が聞こえるとは思っていなかった。
「はぁー…、やっと繋がった!!スッゲー、心配したんだけど?」
「ご……ごめんなさい……」
大きな溜め息と共に吐き出された言葉によって、安堵の溜め息だったことを知り謝ることしか出来ない。
それでも、こんな深夜に電話していることの方が私には大きな疑問で……
まだ溜め息を繰り返す廉に、口を突いて聞いてしまっていた。
「今、電話して大丈夫……なの?」