WITH
ヘラヘラと笑っている律を、
上から下へと視線を巡らせれば、
大きなボストンバッグと、
携帯用のケースに入れられたスーツらしきものを、数着、片手に持っている……
唖然としている私に更に突き付けられた言葉は、予想もしていない言葉だった。
「だから……
暫く、ココに住ませて?」
「……は?何でよ!?」
「他に行くトコないし……
カワイイ弟のために、ね?」
懐っこい笑顔で私にそう言う律は、確かにカワイイ弟だけど……
「……理由は?
お父さんと何で喧嘩したのよ?」
「あー…、遊んだりとか接待とかで午前様ばっかりで……
逆鱗に触れちゃった」