WITH



「私も、廉といられて幸せだよ……」



心からそう思っているから、涙を堪えて微笑んでそう呟いた後。


あっという間に反転させられた体は、にっと微笑む嬉しそうな顔をした廉に組み敷かれていた。



「今日は、やけに素直だな?紗和ちゃん♪」


「……イヤ?」



笑うことも忘れて、ジッと廉を見上げたまま首を傾げた私に



「全然っ♪むしろ……、嬉しいくらい?」



笑って答えて、私の首筋へと顔を埋めた。


廉に愛されるのも、今日が最後―――


廉から受ける甘い熱に侵されながらも、泣きそうになるのを精一杯堪えていた……


廉の温もりが消えないように、
私に残して……体に刻んで……
抱き締めていて。


今だけは、私だけを見つめて……私だけの廉でいて……?


廉の首へ腕を絡めて、うわ言のように「好き…」何度も言葉にしていると、更に愛しさが増して離したくなくなる。


今だけ……
今だけは、私だけを思って愛して……?



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