WITH
「……そういえば、啓祐たちの結婚式の招待状、届いた?」
「うん、確か……3日くらい前に」
広いベッドの上、寄り添うようにして廉の腕の中。
あまりの幸せに、いつ別れを切り出すべきか……なかなか言い出せないでいた。
頭上から聞こえた廉の言葉に答えながら、廉の温もりを感じている間にも刻々と時間は過ぎていっているのに……
「……一緒に行く?」
「え……?」
いつもは絶対に、外で二人会うことなんてしようともしないのに……
今日の廉は、いつもと違う。
「結婚式!5月の中頃だったろ?」
顔だけ向けて仰ぎ見た廉はにっと笑っていて、いつもと変わらない表情。
叶わない約束だとわかっていながらも、頷いてしまった弱い私。
「結婚式かー…、紗和ってウェディングドレス似合いそう♪」
明るい廉の声で紡がれたその言葉に、“蜜華さんも似合ってた……?”すぐにそう連想してしまって、黙ってしまった私。
廉はいったい、どんな気持ちでそんなことを言っているの―――???