WITH
「やっぱり、啓祐さんだ!
お久しぶりですっ!!」
ニコニコと啓祐に話しかける律は、きっと5年振りくらいに啓祐に会ったはずなのに……
我が弟ながら、馴れ馴れしいというか溶け込むのが早いわ。
「久しぶり。紗和に会いに来たの?」
「いえ、今日から俺もココに住むことにしたんですよ」
「そうなんだ?」
二人が話している間に奥の部屋へと行き、荷物を持って戻ってくると、普通に談笑が続いていた。
「姉貴、出掛けるの?」
「うん。……はい、コレ。
スペアキーだから、なくさないでね?」
キーケースからスペアキーを外して律に渡していると、
「先、下に行ってるから」と啓祐に告げられて、頷く間もないままに玄関を出ていっていた。
気を使わせて、しまったのかもしれない……