WITH


晴哉の姿に、廉も驚いた表情を見せてはいるものの、一言も発することはしなかった。


そんな中で、私の思考も体も……目の前の出来事に着いていけてはいなかった。



「廉……、蜜華さん……」



―――そう。
そこには、廉だけではなく蜜華さんもいて。


絞り出したような……掠れた声で名を呼んだ私に、廉がピクリと反応したのを見逃さなかった。


二人仲良く買物してたんだろうなぁー…って思えるくらいに、紙袋をたくさん持った廉がいて。


二人の姿に何も言えないで立ち止まった私と同じように、廉と蜜華さんは何も言葉を発することなく立ち止まり、ただただ視線が絡まりあっていた。


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