WITH
さっきの晴哉との沈黙なんか比べ物にならないくらい、人々の行き交う喧騒も聞こえないくらいドクドクと胸の高鳴りが響いている。
体全部が心臓になってしまったかのように、ドクドクと響くそれは速くなるばかりで、いずれ破裂してしまうんじゃないか……そう思えるほどだった。
動けないまま、どれだけの時間が流れているのか、長いのか短いのか……それさえもわからない。
絡まる視線が廉と重なった時、更に時が止まったように感じていたら―――
バシンッ!!!!!
頬に走った衝撃に、目を見開いた。