WITH
「蜜華っ!?」
見つめる先には、廉に腕を掴まれた蜜華さん。
さっきの頬への衝撃も、蜜華さんからの平手打ち……
頬をおさえて、ただ呆然とその光景を見ているしか出来ないでいる私を蜜華さんは睨み付けてきて、
「あなたが……っ!!
紗和さんがいなければ、私と廉ちゃんは―――!!」
そのまま泣き崩れる蜜華さんを、私は……廉でさえ、見つめているだけだった。
“私がいなかったら……”???
蜜華さんの望む通り、廉とは別れたのに……
それで、許してもらえるはずがないんだ―――
「紗和ちゃん、行こうっ!!」
晴哉の声と共にグイッと腕を引かれて、逆らうことも叶わないまま歩き出してしまう。
顔だけで振り返って見えたのは、悲しげな表情で私を見つめる廉と、廉の胸に顔を埋める蜜華さんの姿。
それ以上は見れなくて……
晴哉に引かれるまま歩き、車に乗せられていた。