WITH
キミが傍にいてくれるなら
「……冷たい」
「少し、我慢して?
結構腫れてるし、痛いんでしょ?」
頬にアイスノンを当ててくれている晴哉をジッと見つめて、不機嫌な声で感じたままを言葉にしたら、けらけらと笑いながら図星を突かれて、従わざる負えなくなった。
晴哉の家は、赤煉瓦の塀に囲まれたモダンな一戸建てのおうちで、晴哉には似合わない雰囲気にクスクスと笑ってしまった。
2階の晴哉の部屋に通されて、私の部屋よりも極端に物の少ない部屋には、ベッドと本棚、オーディオにテーブル、パソコン。
テーブルの上や周りに、乱雑に広げられた分厚い専門書や資料が広がっていた。