WITH
「あれは……晴哉が突然したからでしょう?それに……聞いて“ダメ”って言われる方が、余計凹みそう」
クスクスと笑い声を漏らしながらそう言ったら、
「……ダメなの?」
少し体を離して、私の額に晴哉の額をコツンとくっつけて、近すぎる距離で寂しそうに微笑まれて……拒否なんか出来るわけがない。
「ううん、して……?」
答えながら目を瞑ると……すぐに、二人の影が重なって触れた唇。
触れるだけのキスを何度も受けながら、頭の片隅に浮かんだのは廉の顔。
でも、すぐにそれは掻き消されて、晴哉で満たされていく……心も体も。
ゆっくりと晴哉の唇が離れると同時に開いた瞳には、嬉しそうな表情を浮かべた晴哉が映る。