WITH


* * * * *



「……ココ?」



車を止めた晴哉が、フロントガラスを透かして見つめる先には、廉との思い出の公園。



「うん……行こっか?」



車を降りて、数歩先を行く晴哉が差し出した手を握って歩いていけば、約1ヶ月前に来た時とは異なる風景が広がっている。


咲き誇っていた桜も新緑の葉に変わり……相変わらず、タンポポの花も足許に広がる。



「ココ……、昔、廉と付き合ってた時によく来てた、思い出の公園なの」



平日の公園は小さい子供連れの母親たちがチラホラ見え、時折、子供たちの遊び声や母親同士の談笑する声が聞こえるくらいで、至って静か。


そんな光景を遠くに見ながら、繋いでいた手を離しベンチに座ったあと、私は口を開いていた。



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