WITH



「そっか……オレ、連れて来ちゃってよかったの?」


「……うん。晴哉と付き合う前は、誰とも来ないって思ってた」



穏やかな声の晴哉に、正直に話していた。


そのために、ココへ一緒に来たのかもしれないけど……晴哉が受け入れてくれるかどうか、不安もある。



「“廉との思い出の場所”……だから?」



コクリと頷きながら、晴哉の顔は見れないまま。


話し始めてから、ずっと正面を向いている私からは、晴哉の表情は見えない。


晴哉がどう思うのか……そう考えると見れないでいて、話を続けることを優先させた。



「ココは、“二人だけの思い出の場所”だから、廉と二人で来れないなら、一人でしか来ない場所にしようと思ってたんだけど……晴哉には、知っていてほしいと思ったの。晴哉は、廉を好きだった私を知っているから、何も隠したくない……」



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