WITH
「なっちゃん。
紗和が苦しがってるから」
クスクスと笑いながら啓祐がそう言ってくれたのと同時に、抱き締められていた力が緩まる。
『なっちゃん』と呼ばれた人物を振り返って見上げれば……
「あ、……なっちゃん?」
「久しぶりー。
相変わらず、紗和はちっちゃくてカワイイ!!」
「ほんと……、久しぶりだね?」
興奮気味のなっちゃんが、
私をもう一度抱き締めたことに驚きながらも、久々の再会に笑顔になるのが自分でもわかった。
なっちゃんは、昔からしっかり者で頼れるお姉さんって感じだったけど、
25歳のなっちゃんは、
まさに大人の女……っていう雰囲気を纏っている。
今は、その雰囲気そのもののような、スーツのよく似合うキャリアウーマン。
出版社で、バリバリ働いているらしい。