WITH
7年前の真実


披露宴が終わった後、ロビーのソファーに座って携帯を開くと晴哉からの着信が残されていて、私はすぐに掛け直した。



「あ、紗和ちゃん♪」


「晴哉?どうかしたの……?」


「んー…、紗和ちゃんの声が聞きたかっただけ♪結婚式、終わった?」



晴哉の声を聞くだけで心が温かくなるような……廉との会話で、多少イラついていたことも忘れてしまいそうになるくらい、ホッと安心出来る。



「うん、終わったんだけど……
廉が、話したいことあるって言ってたから……話してくるね?」


「―――紗和ちゃん、大丈夫……?」



“大丈夫……”そう言わなきゃ晴哉が心配するってわかってるのに、その言葉を言ってあげることが出来ないくらい、不安に押し潰されそうになってる。


廉の話したいことって、一体何……???



< 293 / 350 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop