WITH


俯き、途切れ途切れに口にした思いはすぐに否定されてしまい、

……何も言えなくなる。


でもそれは、
この人の言ったことがその通りだから――…


今まで私は、こんな風にいろんな男に同じようなことを言われてきた。




「紗和?今日が最後、もう会わないから。
次は……、ちゃんと好きなヤツと付き合えよ?」




そう言って、去っていく彼に何も言えぬまま。


私は、魂が抜けたように項垂れて
……ベンチに座り込んでいた。



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