WITH
同窓会が始まって、1時間――…
廉の存在を目にすることなく、
時間は刻々と過ぎていた。
「けーいすけぇー!!」
突然、聞こえた声とドンッという音と共に、啓祐が前屈みに倒れそうになって……
啓祐の正面にいた私は、
身構えきれずギュッと目を瞑ることしか出来なかった。
だけど……
いつまでたっても、何の衝撃も、私の上に啓祐が倒れてくることもなくて。
恐る恐る目を開くと、
私のうしろの壁に手をついて体を支えている啓祐が至近距離にいた。
「ごめんね?紗和……、」
息がかかりそうなほどに近い距離。
微かに聞き取れるくらいの声で言われた言葉に頷いた瞬間、
啓祐の背後に見えた顔に、
……目を見開いてしまっていた。