WITH
約7年間、忘れられなかったアイツの笑顔。
アイツに会うためには、
事前に心構えが必要だったはずなのに。
あまりに突然すぎて、
私は緊張も不安もないまま……
ただ、驚きだけしか感じられていなかった。
「……れ、ん?」
「え、……紗和?」
啓祐の背中に乗りかかっていた廉は、私に気が付くと一瞬で笑顔を消し去り、
困惑した表情を浮かべて、
私から視線を逸らした。
それと同時に、廉は啓祐からも離れて、その場にいる全員が立ち尽くしている状態だった。
廉から、視線を外せない私。
戸惑っているのか俯きがちな廉。
私と廉をしっかり見つめる、
真顔の啓祐。
状況を把握できず、
私と廉をキョロキョロ見比べるなっちゃん。