WITH
彼女の孤独
「まさか、紗和さんに呼び出されるなんて思っていませんでした……」
午後の柔らかな陽光に包まれた、カフェの一席。
律が蜜華さんと会えるようセッティングしてくれたのは、あれから1週間後―――それが、今日だった。
目の前で苦笑する彼女は、3ヶ月前に会った時とは違う穏やかな空気を纏っている。
強気で自信満々な彼女しか知らない私は、怯んでしまうのだけれど……
「紗和さんっ、ごめんなさいっ!!」
その言葉と共に勢いよく頭を下げた蜜華さんに、私は更に面食らってしまう。
「あ、えっと……?」
「今までのこと全部、……蜜華が悪いんです。紗和さんにしてしまったこと、全部を許してもらえるとは思っていませんけど……」
驚きを隠せるはずもなく、言葉を発することはおろか、ただただ蜜華さんを見つめることしか出来ない。
ゆっくりと顔を上げた蜜華さんと目が合うと、彼女は苦笑を返した……というよりは、そんな表情しか浮かべることが出来なかったのかもしれない。