WITH
「蜜華さん……私、未だに電車に乗ることも駅の構内に入ることも、怖くて出来ないんです」
「………」
「でも、蜜華さんの夫の立場にいる廉と会ってました。それは……許されるべきことだとは思っていません。
だから……私に蜜華さんを責める権利はないし、蜜華さんだけが悪いわけじゃないから」
真っ直ぐに蜜華さんを見つめて、慎重に言葉を選びながら思っているままを告げる私に、
蜜華さんはわたしを戸惑った表情で見つめ返してきた。
「まさか……そんな風に言われるとは思っていませんでした」