WITH
真っ直ぐに蜜華さんを見つめる私とは対照的に、俯き加減で斜め下を見下ろしながら話す彼女を、純粋に可愛らしいと思った。
廉に愛されたくて、でも愛されなくて……
そんな彼女を愛し続けていたのは、私の弟である律。
蜜華さんの気持ちは本人にしかわからないものだけど、たぶんそれは……
彼女にとって、とても重要視するに値するくらい大切な存在だったと思う。
私にとっての晴哉が、そうだったように―――
「私も……、紗和さんや廉ちゃんにたくさん酷いことをして、たくさん傷付けてしまいました。
幸せになる資格なんて無いのかもしれない。だけど、こんな私でも愛してくれる人がいて、幸せにしたいって言ってくれるんです」