WITH
「だから、紗和さんも幸せになっていいんですよ?
過去を悔やんで立ち止まっていても、誰も幸せにはなれないから……皆が幸せになる為にも、まずは紗和さんが幸せにならないと!!」
「あ、ありがとう……?」
「……って言っても、全部、律クンの受け売りです♪」
クスクス笑う蜜華さんにつられて、私も笑い出していた。
蜜華さんも私と同じくらいの影を背負って、今日まで生きてきたのかもしれない。
好きな人の傍にいても、結婚しても……気持ちまでは手に入れられなくて、いつも孤独を味わって。
廉と蜜華さんが、この7年間をどんな心持ちで過ごしてきたのかは、
きっと、私が聞いていたものとはまったく違うモノなんだろう。
これから、彼女に――蜜華さんにも幸せが訪れたらいいと、心から願うよ。
それを律に任せても大丈夫だと、目の前の蜜華さんの笑顔が証明してくれているから―――