WITH
ガヤガヤとうるさいはずの、
周りの音すべてが遮断されたかのように……
私の耳には、早くなるばかりの胸の鼓動だけが響いていた。
「ねぇ……?あそこにいるの、
岡野クンと廉クンじゃないのー!?」
そんな声が聞こえた瞬間、
弾かれたように周囲の音が甦った。
辺りを見渡せば、たくさんの女の人たちが注目している。
きっと、廉と啓祐が一緒にいるからなんだと思う。
中学時代から、二人が一緒にいたらイヤでも注目されてたから……
そう思い出しながら、
ぼんやりと廉と啓祐を見つめていた。