WITH
WITH
マンションに帰ってきた時には、すでに日は暮れ始めていて。
窓からは、真っ赤な夕焼けが見え隠れしていた。
蜜華さんの言葉は心に残ったままで、私は自分がどうするべきかわからずにいた。
いろんなことがありすぎて、
頭が、心が、ついていかない……
ベッドに凭れ、窓の外に視線を向けて……
ぼんやりとした意識の中でも、頭に浮かんでくるのは廉のことばかり。
“紗和ちゃんは、廉を求めてるハズだから”
本当、晴哉の言う通りのような気がしてくるくらい、無意識のうちに廉を思い浮かべている自分がいる。
「晴哉は、何でもお見通しだったんだね……」
一瞬で頬が緩んでしまうくらい、穏やかな気持ちにさせてくれる晴哉を傷付けた私が……幸せになる権利なんて、あるのかな?