WITH
明るく人気者の廉の周りには、
いつも人が集まっていて。
冷静沈着な啓祐は、あまり人を寄せ付けなかった。
まるで、
“陰と陽”、“月と太陽”
そう言い表せられそうな、
真逆の二人が親友だなんて嘘のようだったけれど。
だからこそ、二人は気が合っていたのかもしれないね……?
「廉、ちょっと抜けられる?
……なっちゃん、紗和のこと頼んでいいかな?」
啓祐が廉となっちゃんにそう同時に話しかけたことで、
私は啓祐を見上げた。
これからどうすればいいのかわからなくて。
無意識のうちに、啓祐を縋るように見つめてしまう私を……
啓祐は、いつものように優しく微笑むと、廉を連れてバーの外へと出ていってしまった。