WITH
急いで来たにも関わらず、
ロビーに着いた頃には、
もう啓祐と廉がいて。
啓祐は、酔い潰れて私に凭れ掛かっているなっちゃんを見ると、
『送ってくる』と言い。
今度は、なっちゃんを連れてその場を去ってしまった。
『紗和と廉は、二人で話してて?』
そう言い残して……
そんなこんなで、
私と廉は、ホテルのロビーに取り残されて、二人きり。
ガラスのテーブルを見つめているうちに、落ち着かない心は段々ボーッとし現実逃避をし始め。
この状況から、
逃れようとしていく……
自分で前に進むと決めたくせに、
一歩も進めないばかりか後退してしまいそうになる私が
ココにいる――…