WITH
7年前の最後の日――…
高校を卒業したばかりの、
4月の暖かい日。
たくさんのタンポポだけが、
私達の最後を見ていた……
「紗和、……大丈夫、か?」
いつの間に、
そんなに距離を詰めたのか……
テーブルを挟んで、
心配そうに私の顔を覗き込む廉の大きな掌が私の頬を包み込み。
親指が、目の下を拭うように触れた。
「な、に……?」
廉の突然の行動に、
思考が追い付かない。
「……泣いてる」
その言葉で、自分が泣いているんだってことに気が付いた。