WITH
7年前のあの日……
忘れたくても忘れられない、
廉が言った最後の言葉。
“7年前”というワードだけで、
あの日のすべてを思い出してしまうなんて。
私にとって、その日のことは……
とても痛くて、苦しい出来事だったんだと、改めて思い知らされる。
私の意思とは関係なく、
とめどなく流れ続ける涙を拭うという行為さえ出来ずに、廉を見つめれば。
廉は切なげな顔を浮かべながら、立ち上がって私の横へと座り直すと。
不意に、……私の左手を廉の右手がギュッと握った。
「あの日……
言った言葉、憶えてるか?」
ビクッと跳ねた肩の動きが廉にも伝わり、それが憶えていると肯定する行動になってしまう。